キョロキョロと部屋を見回してみる。

相変わらずお洒落な部屋だなぁーって。

置物一つにしても何だかシックで。

広臣の世界がここに広がってると思うと部屋に入れた私はやっぱり嬉しくて。



「あ、でもこれは可愛いかも!」



ベッド脇に転がっていたサッカーボールを手にして私は思わずそれを抱きしめた。

この子がいなかったら私達今一緒にいないよねぇ。

本当に私達って運命なんじゃないかって。

どんなに一緒に過ごしてきた哲也さんじゃなく広臣を好きになっちゃったもんなぁ。

なんかすごい。



「ブッ!なんで抱きしめてんの?」



笑い声に後ろを振り向くと腰にタオルを巻いただけの広臣。

上半身裸で首にかけた白いタオルで髪の毛をふいていて。

綺麗に割れた腹筋を見てドキッとした。



「これ、これだけ何か可愛くてこの部屋!サッカー本当に好きなんだね、広臣」

「それ捨てらんなくてねぇ。学生の頃ずっとサッカーだったから、そこに色んな思い出詰まってるんだよねぇ」

「サッカー部?」

「もちろん!」

「彼女はマネージャー!?」

「……え?」

「あ、何今の間は?だってこんなかっこいい人いたらほおっておかないかなー?って」



私の言葉に嬉しそうにハニカムけど、次の瞬間ニヤって笑って腰に巻いてたタオルをストンと落とす。



「へっ!?」

「あ、ごめんごめん、ついねつい!ちょっと俺今手離せないからユヅキ巻いてよ」

「嫌よ!」



そう言いながらも、視線はついつい広臣の広臣を見ちゃう私!

ベッドの上での間接照明とは程遠いこの明るいリビング。

これはすごい!!



「ほら早く!風邪引いちゃう。それともこのままする?」



なにこの誘惑!



「広臣ってそーいう人?今話逸らしたわよね?やっぱり可愛い彼女はマネージャーだったの?」

「可愛い彼女は目の前で俺の誘惑と戦ってるよ!……マネージャーだった時もあるかも?しんねぇけど、かも?すげぇ昔だからあんま覚えてねぇなー」

「……する。してやる!」



何か悔しい!

絶対誤魔化した!

だから仕返ししてやる!

広臣の腰に手を添えてまだストンとしているそれに手を這わすと、「えっ!?」壁にドンっと後ろ手をついて慌てた。

ギュッとそこに抱きつくように顔を埋めると「ハアッ…」鼻から漏れるような広臣の声にニヤリと口端を緩めた。

チュッて手で掴んでキスを繰り返していく私の行為で、いとも簡単に見る見るそれは硬さを増していって…



「広臣気持ちい?」



舌にそれを乗せながら上目遣いできくと、「ごめんって、俺の負け…」ハァハァ呼吸をしながら眉毛を下げて苦笑いをした。