目覚めの朝2
「しゃっ…社長っ!!」

「煩せぇ、黙れよ、一ノ瀬…」

「だって、どうして…?」

「お前覚えてねぇの?」


社長に言われて記憶を辿ってみるものの、たぶんこれはかなりの二日酔いっていうか、酷い頭痛のせいで、頭がうまく働かない。

昨日は…―――

そうだ私、アキラと…。


「思い出した?」


クルっとこっちを向いて、私の腕を握ってそう言う社長。

しっかりと瞳を開けて私を見ている。


「…いえ、あの…」


起き上がった私は、掛け布団がハラリと落ちて、自分の格好に度肝を抜かれた!!


「キャアッ!!」


慌ててベッドに戻る私は、下着一つ身につけていなく…ついでに言うなら、隣で寝ている社長も同じような格好。

なんでこんなことっ。

ええ、思い出せない!

どうして? なんで社長とこんなことになってんの?

半パニック状態で私は自分の身体をチラっと見るものの、見事に素っ裸。

言い訳のしようがないほど頭が痛い。


「私お酒飲みましたよね?」

「ああ」

「………」


五年間の禁酒生活にピリオド。

あぁ私って…お酒飲むと記憶無くすし、人に絡むし、キス魔らしいし…加えて一人じゃ眠れないみたいだし…

だからお酒は止めたはずなのに、どうして?

どうしてか?って考えて、浮かぶのはただ一つ。
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