「黒沢に先越されるなんて思ってなかった。だからずっとお前を見てきた。あの日は偶然でもなんでもない。ずっと狙ってたチャンス、このオレが逃すとでも?」
相変わらず偉そうな顔で私を見下ろすカレが、ボヤけて見える。
「ここいいんじゃねぇ? って…」
取り出したのは、私がプレゼンで使ったハワイの結婚式場。
この人は…
「ズルイ人ですね」
「褒め言葉か?」
「そうですよ」
「ユヅキ」
「はい」
「やっと捕まえた」
「………」
強引に腕を引っ張られて、カレの上に乗せられる。
色んなことが一気に繋がったけれど、カレの温もりに抱きしめられると、それ以外考えられなくなる。
「我慢の限界」
熱っぽくそう言うと、啓司さんの唇が私の唇を強く塞いでいく。
遠慮なく入り込む煙草味の舌が、私の舌を絡めとってなんともいえない甘い音を奏でる。
ギュっとカレの背中に腕を回すと、私の首筋に舌を移動させてキスを何度も落としていく。
「はぁ…」
寒い冬だったなら、きっと窓が白くなるくらいに、吐息を弾ませるカレの頭を抱えると、私のスーツを簡単に脱がせて、そこに顔を埋める。
ピンク色の下着をパチンと外すと、それを剥ぎ取って、ツンとした突起を口に含んだ。
そのまま軽く噛まれて快感が走る。
指と舌で私の中を溢れさせていく。
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