「では、以上で本日の会議を終了致します、お疲れ様でした」
…上役がどんどん会議室から出ていく中、ぐったりしている私は、はぁー…っとタメ息をつく。
…すっごい中途半端に社長が触るから…
「一ノ瀬、行くぞ」
腕を引かれて直通のエレベーターに入った私、最上階のここはまるでホテルのスイートルームのようでもあって、むしろ仮眠室には大きなダブルベッドまであって、シャワー室等もあって、人が住んでいても不思議じゃない。
「社長、欲求不満ですか?」
「はぁ?」
「だって別に私を相手にしなくてもいっぱいいるでしょう?」
「まぁ、腐るほどな」
ニヤって口端を上げて私を仮眠室に誘導する社長。
鍵なんか閉めなくても、この部屋には社長以外は絶対に入ってこれない。
「社長、私…プロポーズされました」
「だから?」
「結婚しようと思ってます」
「へえ〜」
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