会議室の情事3
「信じてないことないし、あんなの噂って分かってる。…けど、いきなり社長秘書になって、何か接点あったのかな? とか思って…」

「分かってる、ごめんねアキラのことちゃんと信じてるから。そこは本当に私も分からないの。社長と寝たこともなければ、媚を売った覚えもつもりもないんだよ」

「そっか」

「そうだよ」

「ごめん勝手に…ただのヤキモチ」

「えっ?アキラが妬いたの?」

「オレだって妬くよ」

「ふふふ、嬉しいなぁ」

「ユヅキ…」


近付くアキラに、私はそおっと目を閉じた。

久しぶりのアキラのキスに、胸がキュンとする。

優しいのに、情熱的なその舌使いに、甘い吐息が漏れる…


「ユヅキ…イイ?」


熱っぽく瞳を潤ませて私にそう聞くアキラに、私は小さく頷いた。

若い頃は、社内でこっそりこういうことをシたこともあった。

でもそれは昔の話で、さすがに25歳を過ぎてからはそんな無謀なこともしないようになった。

スリルよりも、安心感を求めるようになったから。
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