会議室の情事2
余裕の笑顔でトイレを出た瞬間、アキラが私の腕を掴んだ。

目指すのは誰も使っていないであろう、会議室。

こんな秘書課のフロアにアキラがいるなんて有り得ないことで…


「どうしたの?」


会議室に入った私を抱きしめるアキラにそう聞いた。


「お前嫌がらせされてねぇか?」

「あ、心配してくれてんだ?」

「当たり前だろっ」

「ふふふ、ありがとう。でも全然大丈夫よ」


昔からアキラは心配性で、いつも私のことを気にかけていてくれた。

そういう優しいところ大好きで。

私はアキラにされるがまま抱きしめられていた。


「ユヅキ、聞きたいことあるんだけど…」

「なに?」

「社長と…」

「まさかアキラまであの噂信じているの?」


やめてよ、って付け出すと私はアキラから離れて軽く睨んだ。

慌ててアキラは手を左右に振って「ちがう、ごめん」って言って。
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