マーキング2


先にシャワー浴びたんだろうか?

濡れた髪のトサカがキッチンにたって器用に朝食を作っていた。

咥え煙草で卵を片手で割ってフレンチトーストを作っているトサカ。

…――絵になるじゃないか!



「あ、美月ちゃん。ゆき乃達起こしてあげて?朝弱いからまだ寝てるんだと思うの」



岩田にドライヤーかけて貰っていたえみ先輩があたしにそう言うから「はい」そそくさとゆき乃先輩の部屋まで行った。

コンコンってドアを叩く。

シーンとしていてやっぱりまだ寝ているんだって。

これ開けちゃっても大丈夫だよね?

二人とも寝てるよね?



「…ゆき乃先輩、失礼しまっす!」



ガチャっとドアを開けてると部屋の中は真っ暗で。

入口付近にあった電気をパチンっとつけると…―――ぎゃあああああああ!!!!

ベッドの上で今市隆二くんがゆき乃先輩のおっぱい掴みながら腰振ってる光景が飛び込んできた。

絶対挿入されてる。

間違いなく最中!!



「ごごごごごめんなさいっ!!」



慌ててドアを閉めると「10分したら行くからっ」何とも爽やかな隆二の声にしゅるしゅるとその場に尻もちをついた。

ドックンドックン心臓が脈打っていて…

全身の血が顔に集中するのが分かった。

初めて見た、人がヤってるとこ。

いや普通見ないもんだけど…

隆二を見つめるゆき乃先輩の顔は普段の可愛らしい表情とは違って大人っぽくて…

そんなゆき乃先輩を見下ろす隆二もまた、いつもの優しい表情というよりは、余裕の見えない顔だった…

思わず思い浮かべるテツの姿。

余計に身体が熱くなっていきそうだったから慌てて首を左右に振ってそのままハイハイでリビングに戻った。



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