岩ちゃんが落ち着いた頃、タイミングよくりゅーじと健ちゃんがこっちに来た。
だから2人に岩ちゃんを任せてわたし達3人はえみの所に戻ろうって。
「たかぼーってよくよく考えるとすっごいかっこいいよね?」
「え、顔?」
自分を指差しておちゃらけるたかぼーに笑う。
そのまま腕に抱きついて「田崎敬浩って存在かな!」そう言うとニカッてえくぼを見せて笑う。
「今頃気づいたの?直人くんから乗り換える?」
「え、やだ。変な性癖ありそう」
「ねぇよ、んなもんっ!いたって普通にうまいよ!試す?」
チラってわたしを見下ろすたかぼーに、反対側でちょっとムッとした直人に聞いた。
「試していい?」
「却下」
「「ケチー」」
わたしとたかぼーの声が重なると「ちょっと離れて」腕まで剥がされて直人の反対側にわたしを連れていった。
そんな直人が可愛くてチュッて頬にキスをすると照れて顔ごと逸らされた。
だから腕に抱きついてその指を取ると、キュッと直人から絡めてくれた。
「けど、ゆき乃のスキンシップって癒されるかも…たまに貸してよ直人くん?」
「絶対やだ。悪いけど誰にも貸さねぇから、なんと言われようと!」
「ケチだねー直人くん」
「ケチで結構」
笑いながら3人でMOAIのドアを開ける。
わたし達は臣と美月のいる方へ進んでいくと、美月がすぐに気づいてわたしに飛びついてきた。
その顔はビービー泣いていて。
「ゆき乃しぇんばぁいっ…」
「よく頑張ったねぇ、美月。寂しかった?」
「うううう、ざみじがっだ…」
岩ちゃんより泣いてる美月をわたしはギュッと抱きしめて笑った。
それからわたしに気づいたえみが、少し涙を浮かべて微笑んだ。
あーえみすっごい綺麗…
眞木さんとよく似合ってる…
[ - 118 - ]