■ 言の葉3
「ペアじゃねぇ方がよかった?」
『うううん、嬉しい! 奈々とペアリングなんて』
わたしと奈々が喜ぶんじゃないかって、そう思ってくれた二人の気持ちが嬉しいんだ。
「ならよかった」
『どっちが言ったの?』
「タカヒロ」
『哲也じゃないんだーそっか』
「だって俺とペアじゃねぇの、おかしくねぇ? …だからっつー訳じゃねぇけど…」
手にしていた煙草を灰皿に潰すと、わたしに向かって手を伸ばす哲也。
その形がもう、何かヤバイ。
どうしようもなく、ドキドキする…
哲也に引き寄せられるみたいに、わたしは一歩一歩哲也に近づく。
伸ばした手に指先を掠めると、哲也の手がわたしの手首を掴んで強引に引き寄せた。
枕を立ててそこに背中をつけて座る哲也と横並びで座るわたし。
わたしの手首を掴んだまま哲也の浴衣の中、熱い胸に手を誘導されて‥
トクン…トクン…って音が段々早くなっていく。