■ 大事なもの8
『これ…』
「あぁ」
『嬉しい…』
「だろ」
『うん。どうしよう、すごく嬉しい…。あたしもあるの、プレゼント』
ドキドキしながらソファーから起き上がって鞄の中を探る。
数日前にゆきみと買ったターコイズブルーの石が入っている綺麗なピアス。
一目惚れして買ったそのピアスはやっぱりお揃いで自分用にも買っていたもので。
でもつけるのが恥ずかしいし勿体なくてまだつけていなくて。
「ありがとう、大事にする」
その場で耳につけてくれたタカヒロ。
思った通りすごく似合っていて、あたしは満足げに微笑んだ。
『あ、あたしも大事にする。ありがとう…本当に嬉しい。指輪も、ここも』
見渡すペンションの一階は吹き抜けの天井があって、そこから星が綺麗に見えた。
キッチンの向かいには暖炉があってパチパチ火が燈っている。
ゆっくりとタカヒロの手があたしの頬に落ちて…