■ 大事なもの3
それは今、わたしが聞きたいこと。
直人なら簡単に分かってしまうかもしれない、それに哲也が気づいてくれるかどうか…
もし、それが無理ならば
哲也を諦めようかと思うわたし。
泣きながら決めた覚悟。
わたしを見つめる哲也の瞳は真剣。
その頭でわたしの事一生懸命に考えてくれているんだ。
真剣な目はすぐに優しい瞳に代わって、わたしの頬を哲也の指が掠めた。
「悪りぃ、こっちが先だったな」
『………』
「好きだ…ゆきみが好きだ」
『…うん……』
わたしに必要なのは、哲也がわたしを好きかどうかってこと。
ノリがどうとか、そんなことは二の次。
気にならないわけもないけど、今肝心なのはそこじゃないんだ。
知りたいのは、聞きたいのは、哲也のわたしに対する気持ち。
好きだって、気持ち。
だから―――――