■ クリスマス前夜祭2
『ゆきみは、何買うつもり?』
『…奈々は?』
聞いたあたしが聞かれて、ゆきみの顔を見る限り、もうどれを買うのか決まっている様子。
あたしはクスッと笑ってゆきみの腕をパシッと叩いた。
『あたしの質問に答えてな〜い』
『…いや、何か恥ずかしくない?な、直人とケンチいるのに全く話しかけてこないじゃんっ。完全に見張りだよね。…っていうか尾行だ、犯罪だ!』
そうとう恥ずかしいらしいゆきみは、つい大きな声になって。
『犯罪』って言葉に近くにいた数名がこちらに視線を飛ばした。
『ゆきみってば興奮しすぎ、今みんなこっち見たよ?もう…』
腕を引いてゆきみを落ち着かせた。
苦笑いであたしを見返すゆきみはやっぱり困ったような表情で。
立ち止まったのはアクセサリーが売ってるお店の前。
男物っぽいイカツイ感じのが沢山ある。