■ 根付く恐怖6
こうして命掛けで守り抜かれたチームoneは、その荷の重さも全てタカヒロが受け止めて。
それを哲也がサポートするという形となった。
ケンチや直人もそんな哲也達を側でサポートしてくれて、今やoneは向かう所敵無しと言っても過言じゃない。
――――分かっているけど、不安は消えない。
わたしは奈々を失う事はできない。
初めての友達を、親友を…
「もう止めだ」
震えの止まらないわたしの異変に気づいた哲也の声が、少し遠くで聞こえた。
『ゆきみ…』
顔を上げられないわたしに奈々の心配そうな声が届いた。
哲也のわたしを抱く手に力が込められていて。
どうしてまたこんな恐怖をあじあわなくてはいけないんだろうか。
「直人、車用意しろ。ゆきみ連れて帰る」
「あ、はい…」
そう言った直人は、それでも足を動かさないでこっちをジッと見てる。
わたしの前、膝を着いてわたしの手を握るのは、わたしの直人。
「ゆきみさん、大丈夫?」
哲也が隣にいるのにわたしを気にかけてくれる直人も、もはや命懸けで。
チッ…て舌打ちが聞こえた後、わたしの隣にいた哲也が立ち上がる。
直人の胸倉を掴んでガンッ…!て壁に突き付けた。