■ 再会8


そのまま一つ後ろにいる背の高いサラサラの黒髪の人に耳打ちする。


長髪の下に隠れた目は切れ長で、威圧的。


ゆっくりとバイクを下りて黒髪の長髪の人がこちらに近づいてくる。


直人はゆきみを自分の後ろに隠す様に前に立ち塞かった。



「久しぶりだな」



様子を伺うような言葉にゆきみはビクッと震え上がった。



『帰れっ!!』



震える声でそう怒鳴るゆきみに眉を下げて笑うその人は、口端を上げて「相変わらず威勢がいいじゃねぇか、ゆきみ」そう言ったんだ。



「何の用だ、ワタル」



直人とケンチの前、到着した哲也くんが静かに口を開いた。


哲也くんの言葉に一瞬キョトンとしたものの、すぐに又口端に笑みを浮かべるそいつは、ゆきみに視線を移した。



「いい女になったじゃねーか、ゆきみ」


「用がないなら帰れ。世間話する気はねぇぞ」



遮るような哲也くんの言葉に、ポケットから出した煙草に火をつけると、一口吸ってすぐにそれを地面に落として、ダンッ!っと踏み潰した。



「ヘッドに伝えろ、又来るってな」



小さな哲也くんの舌打ちが聞こえたら又地響きが起こって青倉庫からいなくなった。



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