■ 再会7
真っ赤な目の白蛇の大きな旗を掲げてoneの敷地に堂々と入って来た団体。
『なに?』
そう言う間もなく、あたしはケンチに引っ張られた。
同時にケンチが羽織っていたジャケットを肩にかけられて。
「哲也さん呼べっ! 今すぐだっ」
後ろに隠すように、あたしの前でケンチがバー付近にいた下っ端に叫んだ。
「絶対ぇ動くなよ」
後ろ手で痛い程強くケンチに腕を掴まれて、あたしはただ頷いた。
チラッと隣のゆきみを見ると、あきらかに動揺しているのが分かる。
こんなゆきみ初めてで、なんだか様子がおかしい?
「ゆきみさん大丈夫だから、俺傍にいるよ?」
焦点の定まらないゆきみの視線をグッと自分に向けている直人。
地響きに近いそれは耳が痛くなる程大きくて、色とりどりのバイクが音を奏でている。
先頭にある銀のバイクから下りた、がたいのいい人は、辺りをキョロキョロ見回すと、ゆきみを見つけてニヤリと口端に笑みを浮かべた。