■ 再会6
『みんな、何に怖がってるの?』
あたしの声に直人に寄り掛かっていたゆきみがゆっくりと目を開けた。
「なんもねぇよ」
『じゃあわたしと奈々二人きりでコンビニ行かせて?』
ゆきみが立ち上がるなりそう言うと、思った通りに顔をしかめるケンチと直人。
「ゆきみさん、無理。俺一緒に行く」
『じゃあ理由を言って? どうしてわたしと奈々を見張るのよ』
ゆきみの言葉に直人は俯くように目を逸らして、ケンチは小さく溜息をついた。
それでもその口がちゃんと開くことはないっていうのも分かっている。
今になってあたしはゆきみの気持ちが分かったんだ。
あの日、哲也くんの気持ちを聞いても素直に喜びを見せなかったゆきみの気持ちに。
何も知らないのもあたし達を守る為だ、余計な心配かけないように…
それを偽善と思ってしまうあたしは、タカヒロに出会ったことで我が儘になってしまったのかもしれない。
『いいよ、教えてくれないなら行くだけだから。ついてこないでっ』
苛々感満載でゆきみがあたしの腕を引っ張るのと同時、青倉庫に騒々しい音が響き渡った。