■ 再会4


高校生になったケンチと直人は当たり前に成長途中で、あの頃に比べるとだいぶ背が伸びていた。


骨格もハッキリしてきて、幼さを帯びた顔つきは、どちらかというと大人へと変化しつつある。


かといって、哲也やタカヒロに成長が見られないなんて事もなく…


どんどん大人びていくみんなに、わたしはほんの少しだけ動揺を隠せないでいた。


自分じゃ分からないわたし自身も、心と共に色々成長して欲しい部分が沢山あるんだけどー…


奈々みたいに美人じゃないしな、わたし。


同じ女として何か…不敏。



『ゆきみ?どうかした?』



顔を覗き込まれてドアップに奈々を感じて、思わずわたしは赤くなった顔を逸らした。



『なんでもないよ、直人、ケンチおめでと』



遅ればせながら言ったわたしの言葉にケンチは勿論、直人は嬉しそうに微笑んだんだ。



「やっぱ先頭走るの、クソ気持ちよかった。まぁ、もう後ろ乗せらんねぇーんだけど」



煙草を灰皿に押し付けて瓶ビールをグビッと飲み干すケンチ。



「車のが安全だけどな」



そう付け足すと又新しい煙草に火をつけた。



『うん』



奈々の『分かってる』って顔にわたしは切なさを増した。


べつに二人がわたし達から離れてしまうことなんてないけれど、暴走でバイクに乗るの結構好きだったからほんの少しだけ残念に思ってしまう。


それとは別に、タカヒロと哲也は、奈々とわたしを常に自分と同じ車に乗せるようになったのにも、何か意味があるんだろうか。


結局、暴走族のことなんて何も分かっていないわたし達は、全てにおいて意味があるだなんて知る由もない。


それを後々後悔することになるんだ。



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