■ 親友3
oneに出逢わなければ…そう思ったりもしたけれど、oneに出逢わなければ今のあたしはないし、oneじゃなければ誰かを守りたいなんて思わなかったんだって。
人を愛するということは、その全てを受け入れて、守り抜くことなんじゃないかって。
ちっぽけなあたし達の想いは、誰にも邪魔なんてさせないんだから。
ゆきみの涙があたしを強くする。
ゆきみの優しさがあたしの背中を押す。
あたしも一緒に哲也くんを待つ。
ゆきみの所にきっと迎えに来てくれると信じてあたしはゆきみを支えるんだって…。
『哲也くんを信じて、ゆきみ。絶対に迎えに来てくれるって』
『…でも直人ぉ…』
『直人はそれでもゆきみのこと分かってくれる。あたしが保障する』
『…奈々、ごめんね…』
『親友にごめんなんていらないよ』
『…うん、ありがとう』
涙を拭いてゆきみが笑った。
ゆきみの笑顔の為にも、直人…早くワタルの過去を見つけてきて…。