■ 太陽みたいな笑顔7
目を開けると、薄暗い病院の廊下だった。
あたしの隣にはピッタリと隙間を空けないで座っているゆきみがいた。
あたしを不安にさせないようにって、みんなが最善を尽くしてくれていることがどうしようもなく嬉しくて、
申し訳なくて。
手術室のドアが開いた先に看護婦さんがあたし達を見て近づいてきた。
『O型の人いますか?輸血、お願いしたいんですが』
「O型です、お願いします」
『わたしはB型なんですけどダメですか?』
『あ、あたしも、B型じゃダメですか?』
「奈々、ゆきみちゃんも…俺が行くから」
看護婦さんに連れられてタカヒロが別室に入って行く。
それからすぐに聞こえた足音に顔を上げると、ゆきみの哲也くんがこっちに走ってきて。
頬に傷を作っている哲也くんは、ゆきみじゃなくって、あたしの隣に座った。
「大丈夫だから」
たった一言哲也くんの言葉と、ゆきみの温もりに…
涙がとめどなく溢れて止まらなかった…
ケンチ…―――