■ 想い8


5分もたたない内に居場所を探し当てたタカヒロたちは、すぐにバイクに乗って青倉庫を出て行った。


ポツンと取り残されたあたし以外ここにはもうチームメイト一人いない。


あたしは青倉庫を出てすぐにタクシーをつかまえた。



『すいません、あのバイクの団体追って下さい』



タクシーの運転手さんにギョッとされたけど、説明している余裕も筋合いもない。


街道は昼間だというのにoneの出没にみんな心なしか道を空けている。


物凄いスピードで走行するoneに、安全運転のタクシーの運転手さんは苦笑いで。


『急いで下さい』って言おうとしたら、キュイ――ン!って急ブレーキをかけるバイク音がして、次に荒々しい罵声が飛び交った。



あたしはそこでタクシーを下りて、ゆっくりとたまり場であろう場所に顔を出した。


金属バッドで叩く音が大量に聞こえて、紛れて聞こえたのは女の人の叫び声のような悲鳴。


次々と外に出される女の人は見るも無惨な下着姿で…


わけの分からない言葉を叫んでいる。


肝心のゆきみの姿はまだなくて、タカヒロや哲也くんやケンチ達もまだ建物の中から出て来ていない。


あたしはあっち側にいるチームの子から見を隠すように見つからないようにしていて。


騒ぎが収まるのをひたすら待った。



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