■ 絶対ルール7
『止めてっ!もう止めてっ!もう死んじゃうっ、それ以上触らないでっ!』
わざわざわたしの目の前でリュウジくんをボコボコにするワタル達が許せない。
でも身体を押さえられているわたしには何もできなくて。
肝心の携帯は、ワタルに取られてしまった。
チームに迷惑かけてるのは、他の誰でもないわたしだ。
『もう止めさせてっ!お願いだからっ、あんたの言うこと聞くからっ』
ワタルに掴みかかってそう言うと、口端を緩めたワタルがわたしの腕を引き寄せた。
「いいだろう、もうほとんど意識もねーし。んじゃ行くぞ」
わたしの手を引いて、ワタルの車に乗せられた。
『リュウジくんっ!リュウジっ!』
叫んでもピクリとも動かないリュウジくんは、見るも無残な姿で。
わたしは怖くて震えが止まらない。
他のチームに捕まりかけたことは何度もあるけど、絶対哲也が助けてくれるって…
「ゆきみ無事か」ってわたしを抱きしめてくれるって…
今回ばかりはダメだ。
相手がワタルじゃ、くだらない下っ端とは訳が違う。
本気で奈々を呼ぶ気だ。
わたしは、何ができる?
青倉庫は見えているっていうのに、わたしはワタルに連れて行かれた。