■ 絶対ルール6
『なんでよっ! なんでわたしなのよっ?』
「簡単なことだ。oneは死んでも奈々を出さねーって言ってる。したら、奈々の弱点狙えば嫌でも出てくんだろ。哲也がおとりになって巻いてんのは、下っ端の奴らだけだ。今日の狙いははなっからお前ただ一人だ、ゆきみ」
やられた。
完全に裏をかかれたんだ、わたし達。
「ゆきみさんっ、逃げてっ!おいっ、かかってこいやっ!」
一瞬の隙をついてリュウジくんがわたしをワタルから離した。
でも…―――
絶対に勝てない。
相手が悪すぎる。
『ワタル!リュウジは逃がして、わたしで我慢してよっ』
「ゆきみさん、ダメだっ!自分はどうなってもいいっ、逃げて下さいっ!それが自分らのルールなんっす!死んでも俺逃げねーからっ!」
MIYABIの奴らに囲まれたリュウジくんは、わたしの目の前でどんどん弱っていく。
哲也…
わたしを守るのは哲也の役目でしょうっ!
助けてよっ…