■ 絶対ルール5


街道を外れたわたし達は一般道を走って…


間もなく青倉庫に着こうとしていた。


人通りの少ないこの道、角を曲がったら急に大量のまばゆい光りに照らされた。


眩しくて目を閉じたわたしに聞こえた、キュイ――ン!ってバイクが急ブレーキをかけた音。



『リュウジくんっ、なにっ?!』



わたしの声に、リュウジくんも顔を伏せたまま身体をこっちに寄せる。



「ゆきみさん、自分から離れないで下さいよっ」



そうリュウジくんが言った側、ヤバイ!と思ったのは一瞬で、聞こえた足音に、それでも眩しくて目が開けられない。



「ゆきみさんっ、大丈夫ですかっ?」


『リュウジくんっ、目ぇ痛いよっ!電話っ、哲也に電話っ』



目をつぶったまま携帯を取り出したわたしに、後ろから肩を掴まれてバイクからズルズルと引きずり降ろされた。




「キャアッ!!」



わたしの悲鳴に「ゆきみさんっ、どこっ?」ってリュウジくんの声。


でも次の瞬間、リュウジくんもバイクから降ろされて、そのまま鈍い音がしたと思ったら、目の前で転がるリュウジくん。


沢山のバイクに照らされたわたし達は、ようやくその目を開けることができて、でも気づいた時にはもう、わたしもリュウジくんも捕まえられてしまっていた。



『リュウジくんっ、大丈夫っ!?』



「やっちまえ!」




聞こえたその声、まさか…


だって、哲也…


哲也が奈々の変わりに行ったはず。



『どうして…』








振り返ったわたしを見下ろしているのはそう…―――


間違えるわけもない…








―――ワタルだった。




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