■ 絶対ルール4


「哲也さん、車来ました」


「…チッ」


『哲也、気をつけて! わたし待ってるからね』


「あぁ、約束だ」



わたしを車に残したまま、哲也は降りて行く。



「おい、真っ直ぐ倉庫に向かえ。俺の女だかんな、忘れんなよ」



一応哲也の暴走車も危険だからって、ここから先はわたしもバイクに変えて青倉庫に向かうことになった。


タカヒロ専用の車を前に、わたしの運転手であるリュウジくんに釘を刺す哲也。



「はい、哲也さん。気をつけて下さいね」


「心配いらねぇよ、お前はゆきみのことだけ考えてろ」



後部座席のいないタカヒロ専用の暴走車に乗り込む哲也の後ろ姿を見送るわたしに、運転手のリュウジくんが振り返ってニッコリ笑った。



「行きましょう、俺達も」


『安全運転希望しまーす』


「かしこまりました」



真っ赤な口を開けて笑う。


哲也、どうか無事で。



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