■ 絶対ルール2


考えてる…


哲也はわたしに言おうかどうしようか、迷っている、そんな顔で。


わたしは黙って哲也の答えを待つしかない。



「ゆきみ…」


『うん?』


「暴走は止めだ」


『………』


「先頭を塞がれた」


『えっ警察?』


「いや、MIYABIだ。…奈々ちゃんを捜してやがる」


『そんな…』


「奈々は出さねぇ。代わりに俺がワタルを巻く。ゆきみはこのまま倉庫に戻れ」



ググって両肩掴まれて強い視線を飛ばすけど、うまく理解できない。



『哲也が巻く?』


「そうだ。俺がタカヒロの車に乗ってワタルを巻く。心配すんな」


『…するって言っても行くんでしょ』


「あぁ」



哲也は決定事項をわたしに伝えてくれただけで、その芯を曲げることは絶対にない。


一馬のZEROを回収してからは、暴走時のシワ寄せは無くなったというのに…


せめて警察から逃げるんならまだいい。


よりによってワタル。



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