■ Long Laod5
それは『キャー』だか「オオー」だか分からないけど、ただ一つ分かるのは『タカヒロいたよっ、タカヒロっ』って女の子が言った言葉。
あたしはそっちに視線を移すと、同じ年くらいの男女の団体がこっちを見ていて。
『奈々も乗ってる!奈々めっちゃ可愛いっ!超お似合いっ』
『………』
何か、物凄く恥ずかしい。
だからあたしはタカヒロの影に隠れるみたいに身を伏せたのに…――――
それはまるで見せびらかすかのよう。
野次馬達を煽るみたいに…
『ンッ…』
ほんの一瞬見えた悪戯っ子なタカヒロの顔があたしに重なる。
されてることは分かっているけど、タカヒロに触れられると、あたしの理性も壊れてしまいそうで。
みんなが見てる…
恥ずかしい!
そう思うのに拒否できない。
後頭部に回された手が優しくあたしの髪をなぞる。
熱い舌が口内をはいずり回っていて…
息苦しいくらいの甘い口づけに頭の中が真っ白になる。
ギュッてタカヒロの腕を握ると、あたしを抱きしめる腕に力が込められた。