瞳に映った姿1 「それいつですか?」 「え…いつだっけな?確か一昨日?」 「私とオーナー…」 「うん、でも違うみたいだね?」 「違いますよ、そりゃ…」 ニッコリと藤堂に向かって笑ったけど…ちゃんと笑えていただろうか? 初めて知ったその真実に… アキラがレイラさんと、今も逢ってるんだって事実を受け止めるのは、こんなにも胸が苦しいなんて。 知らなくていいとこを知りたがる私は、色々藤堂に聞いてみたけれど結局それだけで、何も分からなかった。 モヤモヤした気持ちはずっと消えなくて…―――― それでも無事に藤堂とのアフターを終えた私は、テツヤさんの所に行って聞いてしまおうかと思ったけど、きっとテツヤさんは私が傷つくからって肝心なことは教えてくれない気がして。 だったらケイジの所に行って聞こうかとも思ったけれど…今ケイジの所に行ってしまったら…戻ってこれないような気もして。 私を助けてくれたケイジ。 私に「本気」と言ったケイジ。 その瞳は決してウソなんてついていないって、それくらいは分かった。 テツヤさんに言われた「重ねている」って言葉を間に受けて、ケイジは私を見てはくれていないんだって勝手に思っていたけど… ―――――違かった。 だから、本気なケイジの所になんて言ったら、ナオトを裏切ることになるかも…なんて私の理性が止めていて。 終わったらナオトが迎えに来るって約束だったから、ナオトの所に帰ればいいのに…どうしても足が進まない。 きっといつもと様子が違うだろう私を心配するナオトに何て言えばいいのかも分からず。 だから、鞄の中でしきりに鳴ってる携帯を取れずに、一人であのマンションに帰った。 たった数日帰らなかったマンション。 何一つ変わっていなくて… シャワーを浴びて寝室に入った私の視界に飛び込んできたのは…―――― 「なんで?」 すやすやと私のベッドで眠るアキラだった。 |