甘い言葉3 「…俺結構ほんき、ユヅキのこと…。最初からずっと気になってた。けど、オーナーも店長も、テツヤさんまでもがユヅキにベッタリだから、ずっとこうなるの待ってた…」 また、言われ慣れないことを言われて、嬉しい気持ちと照れくさい気持ちが私の中に溢れてくる。 歳が近いせいか、ナオトとだったら、小さい頃に夢見た付き合いができるのかも?なんて淡い夢を見てしまいたくなる…。 アキラをこれ以上好きになりたくない私は、他の誰かにかけてもいいんじゃないかって。 「付き合おうよ、俺たち…。幸せにしてあげる…俺が」 甘い言葉。 カウンターにあった私の手をそっと握ってジッと見つめる。 ドキドキする。 ナオトの目が真剣で、ウソをついているようには思えない。 これは…――――信じていいんだよね? 「…ほんとに幸せにしてくれるの?」 「する。誓うよ」 「ほんとにほんと?」 「…疑われてるの、俺?」 「だって…私、恋愛経験なんてないし、そういう甘い言葉も言われ慣れてない。どう答えたらいいのか正直分からないんだもん」 「そのギャップちょっとズルイよ!俺が教えてあげる、本気の愛…」 「…うん」 「じゃ約束…」 そう言ってナオトは握っていた手を離して私の前に小指を突き出した。 小指の隙間から見えるその顔が、間接照明に照らされていつも以上に大人っぽく見える。 この空間さえも、ナオトの告白を演出しているかのようだね、まるで。 小指が絡み合うと同時、ナオトの声が私に小さく届いた。 |