愛してるって言って | ナノ





決意4




「お前、アキラにキスされただろ?」


黙っていたと思ったケイジのそんなあり得ない台詞に私は「え…」マヌケな回答。


「舌、絡ませたろ今…」

「えっ!?」

「あの野郎、手出してんじゃねぇか、クソ…」

「あの…」

「抱かれたのかよ?」

「はぁー?」

「どうなんだよ?」

「だ、抱かれてません!」

「嘘くせぇな」


…何か本気口調だよ。

ケイジまで…さすがは幼馴染。

完全に私とアキラをそういう目で見ているのか、心なしかさっきよりも運転が荒い気がして。

深夜のこの時間は、車さえもあまり走っていないせいで、物凄い速さで車は私とアキラの住むマンションに着いた。


「あの、送りありがとうございます、じゃあまた!」


何となく気まずい空気のせいで、私はケイジの目を見ずにそう言うと、さっさと車を降りて行った。

そんな私を特に追いかけてもこないケイジにホッとしながらも、複雑な気持ちだった。

いったい、ぜんたい…アキラにしろ、ケイジにしろ…

私なんかをからかって何が面白いんだか!


「はぁ―…」

「でかいタメ息だね」

「えっ?」


顔を上げた先、玄関前にアキラがカードキーを持ってドアを開ける所だった様子。

私の腕を引いて、そのまま玄関のドアを開けて中に押入れられた。

バタンとドアが閉まるとオートロックで鍵もガチャンと閉まる音がして…

両腕を拘束された私はアキラに壁に押さえつけられるがまま、無抵抗でキスを受け入れていた。

さっきのケイジのとはまた少し違う、でもやっぱりな強引な激しいキス。


「んっ…」


思わず口から洩れた声に、アキラの吐息も大きく漏れる。

これがアフター入れるなって言った理由ってこと?

私を自分の物にしようって意味?


アキラが何を考えているのか分からなくて…




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