Secret7


「やっと直人が私を求めた」

「ばかやろ、ずっと求めてるわっ!」



そう言うと今まで受け身だった直人がベッドの上でムクリと起き上がっていとも簡単にクルリと私を組み敷いた。

ドンってベッドに手をついて上から見下ろされる。

髪が頬にかかってさっきとは全然違う顔。

見上げる直人は最高にかっこいい。



「ゆきみを攻めるのは後だ」



そう言うと、自分のを手で握りながら開いた足の間にゆっくりと挿れていく。

大きく呼吸をしながらゆっくりゆっくり中に挿ってくる直人にドキドキが止まらない。

完全に挿りきったと思ったら、下から直人が腰を動かし始める。



「やべッ…すぐイケそ……ハァッ…」



顔の横で軽くバンザイ状態だった私の指に直人の指がキュッと絡まった。

身体を、髪を揺らして私の上で律動を繰り返す直人はすごく綺麗で妖艶。

目が離せないくらい惹かれる…

身体よりも心が揺さぶれる…

気持ちいいって感覚以上に、私の中で果てようとする直人をずっと見ていたかった。



「直人ッ…ハァッ…直人ッ…」

「ゆきみ…」

「うん?」



見上げると、切なそうな顔で私を見ていて。

頬に手を添えた直人が目を細めて「悪いな」小さく呟いたんだ。

え?なに?どーいう意味?

なんで謝った?



「直人なんで?」

「………」



泣きそうな顔。

やだやだ、そんな顔しないで!

ギュッと直人の背中に腕を回して抱きしめる。

肩に噛み付く勢いで心の隙間を身体で埋める。

肌がピタッとくっついてパンパン腰を振る度に鳴り響く音と、いやらしい水音が部屋を充満していて。



「悪者にしてごめん…」



チュッて触れるだけのキスとやりきれない表情に、自分達のしていることの大きさに今更ながら気づく。

だけどどうしようもなくて、どうにもできなくて。

ズルイって分かってる。

ダメだって分かってるの、―――最低だって。

それでも私は直人を選ぶ。

初めて見たあの日から、ずっと直人が欲しかった。

直人とこうなりたかった。

どうしようもない気持ちがこの世に存在することを知ってしまったんだ。



「直人泣かないで。私のせい、私が悪い。私が直人を好きになったの。私が直人のこと欲しいって思っちゃったの。直人は悪くないよ、私が悪いよ……」

「ゆきみ」

「哲也には私が言うから、だから離れないで、傍にいて」



直人の気持ちが少しでも軽くなればいいって思ったんだ。

私に顔を埋めていた直人が少し距離をあけて顔を見せた。

その表情はなんていうか―――



「俺悪くねぇの?」

「うん、悪くないよ!」

「ラッキー!んじゃ遠慮しねぇわ!」



ニヤってドス黒い笑顔で私を見下ろした。

え、え、ええええええ!!!!

なにこの変わりよう!!

直人ってドS!?

引きつった顔の私を見て爆笑している直人。



「哲也に言わなくていいよ、別に!むしろ言ったら俺と哲也が壊れちまう。お前は黙って俺のいいなりになってろよ、ずーっとな」

「………」



誰こいつ。

私誰とセックスしてんのっ!?



「え、直人…?」



疑問の声を出した私に、直人の律動が再開されて身体の中に快感が走る。

一気にラストスパートをかける直人は私に微笑みながらも目を細めて気持ちを高める。



「あーやべぇっ。ゆきみはっ?」

「ンッ…イっちゃ…」

「こっち見て…」

「んっ…」

「俺のこと好き?」

「好きっ…」

「どんくらい?」

「いっぱい」

「哲也とどっちが好き?」

「直人ッ…」

「よしいい子」



髪を撫でられて、直人の甘いキスが落とされた。

ギュっと指を絡めて強く握るとここ一番ってくらい腰を振りつける直人に悲鳴まがいな声を上げる。



「クッ…」



ほんの堪えるような声の後、直人があたしの上で止まって目を閉じた。

お尻が軽く震えていて…

ギュっと直人に抱きつく。



「俺も好きだよ、ゆきみ」

「ほんと?」

「嘘つかねぇって。もうヤっちゃったし責任ぐらいは取るつもりだけど?」

「何か、軽いね…」

「不満?」

「うーうん。直人なら何でもいい」

「あんま哲也にヤらせんなよ?」

「…私が哲也とシてもいいの?」

「やだね。うまく逃げろよ」

「…うん」

「やっぱこれさ、ヌードにしない?」

「え?」



私のキャンパスを指差してニヤって笑う。




「ゆきみが一番取ったらちゃんと付き合ってやる」

「ほんと?」

「うん」

「絶対一番取る!」

「まぁ俺、悪くねぇけどな!」



悪戯っ子みたいに舌を出して笑う直人から、結局目が離せなかった。

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