27歳の私1
いつからだろうか…
――――セックスがたまに義務のように感じてしまうのは。
それが、大人になった証なんだろうか…
「帰る?泊まる?」
「泊まる…」
「おう…」
黒木啓司。1歳年上の恋人。
元々は私の双子の兄、哲也が不良だった学生のころ、敵対していたチームの一人で、昔はガチで殴り合いなんてしょっちゅうだったのに、気づいたらいつの間にか仲良くなっていて。
哲也と一緒に暮らしている私達の家に住みつくようになっていた。
チャラチャラした外見だけど、中身もほどよくチャライけど、すごく優しい啓司を好きになるのにそれほど時間はかからなかった。
就職した後、一人暮らしを始めた啓司の家に今度は私が住みつくようにもなったけど、最近はお互い仕事が忙しいせいか、なかなか会える時間もなく、久々に会えた今日はやっぱり一緒に居たいと思うわけで。
ベッドの上でひとしきり愛し合った後、煙草を吸う啓司が思い出したような顔で言ったんだ。
「そういやさ、学生の頃のダチでアキラっているんだけどな、10年ぶりにこの街に戻ってくんだよ!昔から自由な奴だったから、いきなり海外留学しちゃって俺達の前からいなくなったんだけど、ケンチがこの前偶然会ったみてぇで。今度久々に会うからユヅキも顔出せよ!」
「…アキラって、哲也の口からも聞いたことあるかも…」
「だろうな。すげぇ色々合う奴で、最高のダチだって思ってたから」
「自由人なんだ?」
「まぁ。今はどうだか分かんねぇけど」
「うん、一緒に行く」
微笑んで啓司の胸に顔を埋めると煙草を灰皿で押し潰した啓司が私の上に乗っかってきた。
「久々だからもう一回させて?」
「それ聞く必要ないって!」
「あ、そうか!」
大きな口をあけて笑う啓司が私の肌に身体を埋めていく…―――
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