君に何度でも恋をする | ナノ

日本語下手でチャイな恋人3


身体ダルイ…。

目覚めるとスマホに哲也から鬼のようにLINEが入っていた。

あ、そういや昨日連絡忘れてた。

まるでストーカーされているかのような私を探している哲也のLINEはもう慣れっこだった。

人に話すと怖がられるけど、これも哲也ならではの愛情表現であるわけで。



【てっちゃんごめんね。啓司んとこ来てる!連絡忘れちゃった。許して】



恋人に送るようなメッセージも、哲也とだからできる。

これも人には言えないけど。



【了解!】



居場所が分かればそっけなくなる所もちょっと可愛い。

心配されるうちが花だと思っておかなきゃだよね。

クスって笑ってスマホを置くとまだ隣で寝ている啓司にギュッとくっついた。



「ん、もう朝?」



お酒の飲みすぎで顔がパンパンに浮腫んでいる啓司の頬を指でつつくけど、まだ目が開けられなくて。

そのまま私を手探りで引き寄せてホールドした。

小麦色の肌に顔を埋めると優しく髪を撫でてくれる。



「朝ユヅキが隣にいると安心する…」



いきなりそんな言葉を言われて思わず啓司を見た。

でもまだ目は瞑ったまま。

安心しきった幸せそうな啓司に、少なからず私って存在が役に立っていると思うと単純に嬉しい。

ふわふわの髪を撫でると、ようやく啓司のつぶらな瞳がパチっと開いた。



「泊まる日数増やせよユヅキ」



……そこは、結婚的な言葉じゃないの!?

まぁいいけど。

ちょっとズレてるし、啓司。



「泊まる日数とかより大事なものない?」



切り出せないのなら私から聞くだけ。

今時草食女子はこの世には存在しない。

私の言葉に更に目を見開く啓司。



「あーそうだな。うん、えっと…ゴホン」



分かっているのか?的外れなのか?咳払いをする。

待って私達今裸。

啓司、TPO考えてね?



「哲也に了解貰わねぇとな、まずは!」



ちがーう!!

哲也関係ないからー!!

やっぱり的外れ!!

でもまぁ、まだいいや。

こうやって啓司と過ごせる時間が大事なものだよね。

私は笑いながら頷いた。



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