ワイルドってずるい。
それから大輔先輩に指輪をはめて貰った私の気分は絶好調で。
「似合ってるね。欲しい?」
「…ダメ、甘やかさないで?」
「どうして?」
「だって調子に乗る…」
「いいじゃん。受け止めるの俺だし。俺はもっと甘えて欲しいと思ってるよ」
優しい大輔先輩はどこまでも優しい。
こんな高いの…っていうか、そもそもこれ、婚約指輪だし。
嬉しいけど、気が引ける。
「でも今日は大輔先輩のプレゼントなので、やっぱり私に買わせてください!」
「分かった。じゃあここでは俺がこれを買う。ゆきみちゃんからのプレゼントは別で貰ってもいい?」
「…先輩…」
「ゆきみ、言うこと聞けよ」
…そういうワイルドな感じ余計ずるい。
わざと低い声出してちょっと強引に言われたら、何もできないよ。
結局、BVLGARIの婚約指輪を買ってくれた大輔先輩。
もう頭上げられない。
ユキミだったら隠しきれないぐらい笑顔でいそうだけど。
駐車場について車に乗り込んだ。
「じゃあゆきみちゃんにプレゼント貰いに行ってもいいかな?」
「はい!どこのお店ですか?」
「それは着いてからのお楽しみね」
「はい!」
助手席に私を乗せて車を動かす大輔先輩。
いつ見ても優しくてかっこいい。
好きだな〜…
「俺の顔、好き?」
「え…!すいません私、見過ぎですよね…」
パって顔を窓の外に向ける。
「あはは、いいけど俺岩ちゃんよりかっこよくないし…」
大輔先輩の言葉にドクンと胸が脈打つ。
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