他のオンナなんて興味ねぇ。
「あ、お帰りー!」
家に帰るとベッドの上にゆきみがいた。
具合が悪いから家に帰るって言ったゆきみ。
結局ゆきみの親はしばらくしてからゆきみを連れ戻しに俺の家に来た。
けどうちのお袋と親父が責任もって面倒みるって言って、ゆきみをこのまま俺ん家に住ませるように話つけてくれた。
でも時々家に帰るゆきみは、あんな親でもやっぱり信じているのかもしれねぇ。
家族ってやつを。
「具合、大丈夫なの?」
「うん。もう平気。直人に逢えなくて寂しかったよ」
両手を伸ばして俺を求めるゆきみが可愛くて仕方ねぇ。
ゆきみの腕を掴んでそのままベッドに押し倒す。
「病み上がりだからやめとく?」
「無理でしょ?」
「まぁ、無理」
笑う俺の首にふわりと腕を巻き付けた。
そのままグッて力を入れて俺の顔を引き寄せる。
迷うことなく唇を重ねる俺をゆきみがギュッと抱きしめた。
「ンッ、なおっ…」
舌を絡ませる俺の耳に指を突っ込むゆきみに下半身が反応する。
「ピアス邪魔だなぁ…」
「外して」
「外す」
耳についたピアスを指で外すと、ゆきみが横から俺の耳に舌を突っ込む。
服の上から俺の身体をまさぐるゆきみに身体の芯から熱くなってくる。
「もう風呂入った?」
「うん。入ったよ」
「いい匂い…」
くすぐったいって笑うゆきみ。
俺ん家に来てからゆきみはよく笑う様になっていた。
こいつの笑顔は何にも変えられない宝物だって思うし、俺が一生守ってやりてぇって。
「あのさ…マジで好きだよゆきみ」
パチくり瞬きをして俺を見ているゆきみ。
半笑いで「え?急にどうしたの?」なんて。
顔にかかった髪をそっと指でよけて見おろす俺。
誰でもいいなんて思ったことを後悔した。
誰でもいいなんてもう思えない。
どんなオンナに言い寄られたところで、こいつ以上のオンナはいねぇ。
「言いたくなったんだよ」
「そっか。私も直人が大好きだよ」
「安心する、それ聞くと。俺大事にしてあげられてる?」
頬を包み込んで鼻の頭に小さなキスを落とす。
キョトンと俺を見上げるゆきみは優しく微笑むと「ん。大事にされてるよ」小さく答えた。
「不安とか不満とかある?」
「ないって。出逢った時から直人は優しかった。直人はない?私に不安と不満…」
「ねぇよ。あったらとっくに捨ててる」
「えー今後捨てられるのかなぁ?」
「それもねぇよ。お前以外とヤリてぇと思わねぇし。他のオンナなんて興味ねぇ」
「私に夢中?私以外いらない?」
「ああ、いらねぇ。けどゆきみは毎日触れねぇとダメっぽい」
「直人…シテ…」
「お前、エロだな」
「いいの、直人に愛されていたいの」
「くそ可愛いこと言ってんなよ!」
ダンって顔の横に手をついてゆきみの唇を堪能する。
甘くて媚薬でも入ってんじゃねぇか?ってぐらい痺れるゆきみとのキス。
これがねぇと生きていけない。
おまえ無しじゃもう生きていけない。
未来を決める言葉は未成年の俺にはまだ早い。
だけど俺の心は決まってる。
「愛してる、ゆきみ…」
「私も…」
今日も俺はゆきみと愛し合ってる。
*END*
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