幸せだから1




休日の彼はラフ。

会社に行く時はキチッと固めてあげている髪も無造作に降りていて、それがまたすごくかっこよくて。


『タカヒロ、朝だよ』


朝ご飯の準備が終わって寝室に行くと子供みたいな顔で眠っている彼。

ベッドに座ってそっと髪を撫ぜた。


「んっ…何時ぃ?」


寝惚けた声で私の腕を握ってそこにチュッて小さなキスを落とす。


『10時前…』

「マジ?すげぇ寝てたんだ俺。ま、昨日いっぱい運動したもんなぁ」


そう言ってタカヒロはニヤッて口端を緩めた。

そのまま私の手を引いてどうしてか、ベッドの中に誘導するんだ。


『え、タカヒロ?』

「朝から元気みたい俺!」


白い歯を覗かせて、えくぼを作って笑うタカヒロに、朝から私の気も緩みまくりで。

昨日あんなに激しく愛し合ったというのに、今この瞬間が幸せで。

言われるがまま、導かれるがままにタカヒロのを握るとふわっとタカヒロが腰を浮かせたんだ。



「触って」


上目遣いで私を見つめるタカヒロ。

朝なのに何でこんなに綺麗な顔なの?って妬けるぐらいタカヒロはすごく綺麗で。

タカヒロが離した手をそのまま私の手で包み込む。


「あっ、いいっ…」


目を細めて顔を上げるタカヒロは、太陽の光に照らされて眩しいほど。

手だけベッドの中に入れて生タカヒロを擦っていると、だんだんそれが硬くなってきて。

角度もついてくる。


『…タカヒロォ…』

「んー」

『シたくなっちゃうよ私…』


私がタカヒロの方に近寄るとそのまま私を自分の上に乗せる。

これがタカヒロの罠だって分かっている。

タカヒロはそのかっこいい顔とは繋がらないぐらいに下ネタが大好きで、常にエッチなことばっか言っていて。

でもそれを恥ずかしげもなく言うもんだから、それがタカヒロなんだって私も受け入れた。

実を言うと、私も自分では気づかなかったけど、そーいうタカヒロの求めることが嫌いじゃないんだって。


「シようよ」


してやったりの顔でタカヒロが私を抱き寄せてチュッて小さなキスを落とす。

左手でギュッとタカヒロを握ると「アンっ」わざとらしくイヤらしい声をあげた。






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