好きな人の笑顔4



『私も、タカヒロくんが大好きなの。好きな人には何かしてあげたいと思うし、好きな人の笑顔とか喜ぶ顔とか見たいの。だから、タカヒロくんの気持ちはすごく嬉しいんだけど、受け取ってくれると嬉しいな』


いつもタカヒロくんが私にしてくれるみたいにポンポンってタカヒロくんの背中を撫でる私に、しがみつくみたいに身体を寄せてくるタカヒロくんを、私の愛情込めて強く抱きしめた。


「もう俺、ユヅキから一瞬も離れたくない…」

『離さないよ、私』

「………」

『タカヒロは、私のものだから』


ニコッて笑ったらタカヒロくんもつられるように笑った。

でもその大きな目の下に溜まった涙を、指で拭うと、少し恥ずかしそうに俯く。

そんなカレの頬に手を添えて、ゆっくりと顔を近づける。

唇に触れるだけのキスを落とすと、タカヒロくんが嬉しそうに私の買った腕時計をつけてくれた。


『食べよう』

「…うん」

『食べたら又私を独り占めしてくれる?』

「もちろん!」

『…やっぱり私、タカヒロくんと付き合ってから…』

「エロくなったな、ユヅキ」


目の前に差し出されたルームサービスのシャンパンをあけて、私達はクリスマスイブのディナーを思う存分楽しんだんだった。






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