独占欲4
結局ホテルの部屋から見える夜景が一番綺麗だなってことで、ルームサービスを取ることにした。
部屋に戻った私は、大理石で作られたラブホ並に広いお風呂にお湯を溜める。
タカヒロくんは又寒いのにベランダで一服していて、その間にルームサービスを頼む私は、プレゼントをいつ渡そうかドキドキしていた。
「寒っ…。冷えたぁ〜ユヅキちゃん俺をその愛で温めてぇ?」
両手を広げて私の方に歩いてくるタカヒロくんを『仕方ないなぁ』なんて言いながらも、きっとまたあのニヤけ顔で、フワっと抱きしめる。
『わ、本当冷たい! 風邪ひかないでね』
「ん、チューしてくれたら大丈夫」
ムウって唇を突き出すタカヒロくんに、チュって触れる程度のキスをする。
当たり前に物足りなさを含むキスに、ほんの一瞬見つめ合った瞳が、重なり合う。
壁に私を押し当てるように迫るタカヒロくんの首に腕を回すと、半分抱えられてそのままキスを繰り返す。
『ン…フゥッ…』
自然と漏れてしまう甘い吐息に、タカヒロくんのキスも深まって…
「一回抱かせて」
耳元で甘い囁き。
「ずっと我慢してた」
素直に想いを言葉にしてくれるタカヒロくんは、私の返信が分かっているらしくて、抱き上げたまま歩いてベッドに私を降ろした。
返事の変わりにタカヒロくんの身体を受け止める私に、「ユヅキ…愛してる」…優しい声が何度も私に刻み込まれたんだ。
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