絆4




やっぱり私、タカヒロくんと付き合ってからちょっとエッチになったのかも…。

――――違う!

きっとこれが普通なんだ。

本当に好きな人となら、いつだってくっついていたいって。


「ユヅキの事今すぐ独り占めしてぇ」

『プレゼント、明日買いに行こっか?』


耳元でそう言ったらタカヒロくんがゴクッて生唾を飲み込んだ。


「ありがとう。でも指輪だけは取りに行こうか」

『うん』


そうしてブランドショップに入る寸前、タカヒロくんの携帯に着信がきて。

画面には会社名が出ている。

苦笑いでタカヒロくんは溜息をついた。


『私取ってくるから電話出て』

「ごめん」


タカヒロくんに首を振って私はショップの中に入った。

私の顔を見た店員さんがすぐに気づいて笑顔で迎え入れてくれて。


『お待ち致しておりました、田崎様』


思わずタカヒロくんの苗字で呼ばれて私の心臓は爆音を奏でる。

間違っていないけど、なんか緊張しちゃうな〜。


『こちらになります』


見せられたそれは、ありきたりかもしれないけど…

涙が出そうなくらいに甘い言葉が綴られていて。


『あの、これって』

『はい!文字はタカヒロ様の方が指定されました』

『彼が?』

『ええ。お選びになる際も、ユヅキ様がどれを嵌めた時が一番喜んでらしたかよく見てらしたので、こちらのデザインにされたんですね』


第三者から見ても、私達はそんな甘甘な恋人に見えているんだ。

自分達が思うより、ずっと私達は愛し、愛されているのかもしれない。

他人に言われると、すごくそう実感できて。

恥ずかしくも、こんなにも嬉しい事なんだって。

私が馬鹿みたいな妄想をしていた時も、タカヒロくんは私の反応を一々見てくれていたなんて。

あぁ、もう…

収まりきらないこの気持ち、どうしたらいい?

何度でも伝えたい。


『好き』『愛してる』『大好き』『愛してる』『愛してる』


電話が終わったらしいタカヒロくんがショップの中に入って来て、私の代わりに店員さんから綺麗にラッピングされた袋を受け取った。






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