ヤキモチ6





「ユヅキってたまにすっげぇ大胆だよな…」

『…あの、わりと自分の意思とは無関係というか、今のはちょっと悔しくて…でも、私も自分でも信じらんないかも…もう恥ずかしい!』


顔を背ける私に「ははは」ってタカヒロくんの笑い声が重なった。


「もう俺我慢しないから」


そう言うなり、私をガバッて抱き上げると、真っ直ぐにベッドに向かう。


「怒ってるっていうか…ただのヤキモチ。子供みたいって思うだろうし、カッコ悪いだろ、そんなの。無理矢理ユヅキに手出すのも違うと思ったからシャワーで頭冷やしただけで…抱かない訳ないよ、こんなに好きな女!」


数歩の道のりで、私の欲しい言葉をくれたタカヒロくん。

もう私の中に不安はなくて。

沸き上がる感情は、タカヒロくんへの溢れる愛。

どんな事でも受け止めてくれる、そんなタカヒロくんだから…


『私も我慢しないもんっ』

「ほんと?じゃあ、好きにしていいよ」


ベッドの縁に私を下ろしたタカヒロくんは仰向けになって両手を広げた。

ドキドキ…

そっとタカヒロくんの肌に手を添える。

ピクンって少しだけ腰を浮かすタカヒロくんはいつも以上に色っぽい。


『なんか私、タカヒロくんと付き合ってから…ってゆうか、タカヒロくんには自分から迫ってばっか』

「いいじゃん!ユヅキにだったら俺、いくらでも迫られたい」


笑うタカヒロくんの唇を上から塞いだ。

思い浮かべた甘い夜。

いつの間にか立場逆転で私を支配するタカヒロくん。

その温かい背中に腕を回して私達が離れないようにしがみつく。

ずっとこのままでいれたなら…

















――――――――――――…

翌日。


私を助手席に乗せたタカヒロくんの車が着いたその場所は、忘れていた人との思い出の場所だった。






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