ヤキモチ4
明日は朝から出掛けるから今日は無しかな…
なんて思ってしまう私って本気で変態なのかも。
タカヒロくんちのお風呂から出た私は、煙草を吸ってビールを飲んでるタカヒロくんの前に姿を見せた。
すぐに私に気づいたタカヒロくんは、口元に笑みを浮かべると煙草を消してたった今殻になっただろう缶ビールをグシャって潰した。
キッチンのごみ箱にそれをポーンと投げたらスポンと吸い寄せられるみたいに入って。
「シャワー浴びてくる。眠かったら寝てていいよ」
そう言われて自分がシュンとしていて。
タカヒロくんが呟いた独り言に気づく訳もなく。
仕事終わりでタカヒロくんだって疲れてるんだって。
身体だけを言うなれば私だって疲れている。
でも、どうしてか今日はタカヒロくんの様子もちょっとおかしかったし。
―――アキラにヤキモチ妬いてくれたんじゃないのかな。
だから私の事少し怒ってるんじゃないのかな…
私の脳内だけでの考えはもう、半パニックになりかけていて。
好きだとこんなにも不安になってしまうものなんだろうか。
でもきっと、これが恋なんだって。
恋以上の愛なのかもしれない。
今までの私は、恋に恋していたタイプで、こうやって自分の気持ちを考えたり、ましてや相手の事をこんなに考えたりしていなかったんじゃないかと思う。
そーゆう心の部分で繋がれたのはタカヒロくんが初めてだった。
そんなモテると思っていたタカヒロくんも、私と同じような気持ちを私に持ってくれていて。
だから私はタカヒロくんをこの先も離したくないんだ。
ずっとタカヒロくんと一緒にいたい。
そんな温かな気持ちになっているんだ。
「ユヅキ?」
『………』
しまった!!
完全に瞑想にふけってしまっていた。
私、髪も乾かしていなきゃ、化粧水すら塗っていない!
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出したタカヒロくんは「どうしたの?」って半分くらい減ったペットボトルを私に渡した。
さりげない間接キスにいちいちドキッとしちゃう私も私で。
何だか言いたい事が分からなくなっちゃうんだ。
『タカヒロくん、あの…』
「うん、えっ!?ちょ…えーどした?ごめん俺なんか…」
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