ヤキモチ3




「メリークリスマス」


そう笑って可愛くラッピングされた細長い薄いグリーンのプレゼント袋を手渡された。

まさか、アキラからクリスマスプレゼントを貰えるなんて思っていなかった私は、残念なことに何の用意もしていない。

こうやってアキラが私にプレゼントをくれるなんてこと、今までなかったから、予想外の展開…とでもいえばいいのだろうか。


『え、いいの?』

「ん〜まぁね」


ちょっと照れたアキラの笑いに私は微笑み返した。

この笑顔を独り占めしたい子なんて沢山いるんだろうに、勿体無いな…なんて余計なお世話であろうことまで思っている。

結局私に優しいアキラは、きっとタカヒロくんとのことを、半分からかいながらも応援してくれているって、そう思えるんだ。


「あぁ、お礼はいつでもいいよ」

『うんっ、ごめん今なくて。アキラもよいクリスマスをね』


私の言葉に苦笑いを浮かべるアキラを背中に、入口のドアの前で携帯をいじくってるタカヒロくんの腕にそっと触れた。

私の顔を見るなり眉毛を下げるタカヒロくん。

不安そうなその顔はゆっくりと私に近づいて…


『どうしたの?』


そう聞こうとした私の唇に、タカヒロくんの甘い唇が優しく触れた。

すぐに離れたものの名残惜しそうな顔でまた私を見つめるタカヒロくん。


「好きだよ」


突然の言葉に私は真っ赤になるしかできなくて。

でも、こうして気持ちを伝えてくれるタカヒロくんがすごく愛おしくて、嬉しくて…


『私も、好きよ』


そう言ったら微かに揺れるタカヒロくんの瞳、一瞬私から視線を逸らした。

見つめるタカヒロくんは耳まで真っ赤に染まっていて、私の言葉に喜んでくれているんだって嬉しくなる。

だから、もっと伝えたくなるんだ。


『好き…うん、大好きよ、タカヒロくんが…』

「待って、待って!…ヤバイ、家までもたなくなる」

『え?』

「それ以上言われたら、理性が…」


真っ赤なタカヒロくんは逸る気持ちを抑えて、私をタカヒロくんの住むマンションへと連れて行ったんだ。






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