本物3
一分一秒先の未来も、私はタカヒロくんを好きになるんだ…
そう思ったら何だか胸がいっぱいになって、私はポロッと涙が零れてしまった。
途端に慌てたようにタカヒロくんの表情が強張った。
「どうしたの?」
心配そうに私を見つめる不安げなタカヒロくん。
『違うの、嬉しくて…タカヒロくんが好きで嬉しくて…』
ほんの一瞬目を見開いた後、すぐに優しく細めて私の髪を撫でた。
「俺も同じ。俺も今ユヅキが好き過ぎて幸せ噛み締めてた…」
チュッ…って瞼に唇を落としてそっと涙を拭ってくれる。
ほらね、タカヒロくんなら私の気持ち受け止めてくれるって。
受け止めるっていうより、タカヒロくんも同じ気持ちを持ってくれているって事実が嬉しくてたまらない。
「ユヅキ…」
肩を引き寄せられてタカヒロくんの唇に吸い寄せられるみたいに重なり合う。
それは、『理性』って糸を一本外したみたいで。
私は続くタカヒロくんの愛撫に安心して身を任せた。
湯気の上がる浴室でタカヒロくんの甘い視線が私をとらえて離さない。
私の片足を持ち上げて、そこに舌を這わすその姿に自然と私の中が熱く溢れてくる。
足の指先まで口に含まれて、初めての感覚にビクンと下半身が疼く。
何ともいえない電流を浴びたように、私の息は上がっていって…
『ハアッ…アッ…』
漏れた吐息に、今度はタカヒロくんのキスが降りてくる。
『ンンッ…』
唇と塞がれていながらも、タカヒロくんの指は私の中に挿っていて、ツンとたったソレをギュンッと摘みあげられて胸がキュンと鳴いた。
そのまま奥まで挿りこむ指が中を優しく、でも強引にかき混ぜていくと、何ともいえない快感が全身を突き上げるよう。
「感じる?」
至近距離で潤んだ瞳でそう聞くタカヒロくんも、余裕なさげだ。
『すごく…』
「俺もやばい…」
言葉の如くに、言うなれば最初から元気だったタカヒロくんのをそっと握った。
「あ―ッ…」
『ふふ、すぐイきそう?』
「…うん、やばい」
『一回イく?』
「やだ…ユヅキの中がイイ…下、もっとちゃんと触らせて」
『うん』
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