ピンク色4





私も今年のクリスマスはきっと今までで一番甘くて幸せな時間になるんだろうなって確信している。


『タカヒロくんベッド…』


時計の秒針音に混ざって耳に入る舌が絡まる音にそう言った私の胸に、顔を押し当てるタカヒロくん。


「風呂入ろ」

『一緒に?』

「一緒がいいけど一緒だと風呂で何もしない自信はない」


キッパリ堂々と胸を張ってそう言うタカヒロくんが可笑しい。


『じゃあ先に入っていいよ』

「ちぇー」


唇をムゥッて尖らせて素直に立ち上がるタカヒロくんの後ろ、着いて行ってお風呂場の説明をした。


「ほんとに一緒に入らないの?」


子犬のようなタカヒロくんの視線。

正直迷っていて。

本当は嫌だなんて感情はほぼ0に近い。

一緒に入りたいって気持ちは80%くらいで残り20%は単なる恥じらい。

そりゃ私だって男の人とお風呂に入るのはもういつぶり?って感じだし…

何よりタカヒロくんとってことが恥ずかしいわけで。


「ごめん俺又無理矢理だった、反省。んじゃお先にっ…」


タカヒロくんの言葉を遮ってグイッと腕を引っ張ったのは私の方。

壁に押し当てて唇を押し当てる私に口を開いたタカヒロくんの舌が口内に侵入してくる。

すでにこの空気に酔いしれている私は薄目を開けてタカヒロくんのYシャツに指をかけた。

ビクッとして舌が離れると同時タカヒロくんの眼球がグルッと動いて私の指に集中した。

壁に張り付いたままの無防備なタカヒロくんの白シャツのボタンをゆっくりと外していく私。


「ユヅキ?」


困惑気味のタカヒロくんの声に私は無言で指を動かして。

私の手を止めようとするタカヒロくんの手は戸惑いながら宙を舞って、それからゆっくりダランと元の場所に戻って行った。

カチャッとベルトに手をかけた瞬間「恥ずかしい」ってタカヒロくんの声と照れた顔。

そんな顔と声に私も嬉しくて…

こうやって知らないタカヒロくんを知っていくことによって私はどんどんタカヒロくんを好きになっていくんだろうと思うんだ。


『タカヒロくんの粘り勝ちだよ』


そう言う私に耳まで真っ赤になって…


「やった!でもマジ恥ずかしい!俺今めっちゃ勃ってる」


言葉通りのタカヒロくんに私は洗面所の小さな明かりだけを残してお風呂場の明かりをパチッと消したんだ。

甘くて熱い夜が、又始まる―――






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