似たもの同士3
潤んだタカヒロくんの瞳が熱っぽくなっていて…
「ユヅキに触れられると、理性が危ない」
そんな可愛い言葉が放たれた。
でも、でも…
私だってそれは同じ。
タカヒロくんが触れると、身体が熱くなって、もっと触れて欲しくなる。
もっと、もっと…って欲張りな私が出てきて…
『私も危ないよ』
「え?」
『もっと触れて欲しくてたまらなくなる』
「ごめん、マジ無理だ」
掠れたタカヒロくんの言葉のすぐ後、緩く抱きしめられていた腕に力が入って、強引にタカヒロくんの腕が私の身体を引き寄せた。
と、ほぼ同時…
熱を帯びたタカヒロくんの熱い舌が私の口内に入り混んで…
息もつけないくらい激しくその舌が私の中を動き回る。
タカヒロくんの腕が私の背中をいったり来たりしていて
アンサンブルの中にスイッと腕が差し込まれた。
直に私の背中を触るタカヒロくんの手にほんの一瞬ビクッとした私に、しっかりと気づくタカヒロくんは、すぐに唇を離して私に視線を向けた。
「暴走してた…ごめんね」
チュッて触れるだけのキスをされてギュッて抱きしめてくれる。
『謝らなくていいのに。タカヒロくんのせいじゃないし』
「もー!そんな甘いこと言わないで〜。ほんとヤバイから…」
両肩に手を宛てて、ゆっくりと私から離れたタカヒロくんは、俯き加減でうなだれている。
タカヒロくんが自己嫌悪することなんて一つもないのに、こうやって私の気持ちを最優先に考えてくれてるってことが、何よりも嬉しい。
やっぱり私、タカヒロくんを好きになってよかったなぁ。
改めてそう感じるんだ。
『よし!ご飯の準備するね。あ、え〜っと…』
私は思い出したようにソファーに置いた鞄を取り出して、その中からラッピングされた包みをタカヒロくんに渡した。
「なに?」
キョトンとした顔でタカヒロくんが聞いてきて。
『来店記念』
笑いながら私が答えると、「来店って」ってタカヒロくんも笑った。
『訪問ね、訪問記念』
「そんなのいいのに…」
カサカサって黄色いリボンを解いてタカヒロくんが指を差し込んだ瞬間ピクッとして…
「ユヅキ…」
甘えた、ちょっと泣きそうなタカヒロくんの掠れた声が私に届いた。
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