幸せな朝の一時4
「…痛い?」
『…ウーン』
「だよね、ごめん」
申し訳ないのは私の方なのに、そんな風に謝ってくれなくていいのに…。
悔しくて胸が痛くて…――――
せめて私がタカヒロくんを満たしてあげられないかな…
そう思った私は、起き上がって身体の向きを変えると、動揺気味なタカヒロくんのそこに顔を埋めた。
起きた時から異様に元気だったに違いないタカヒロくんのを手で触ると、「えっ、待って!」そんな慌てた声が届いた。
『待てない!』
そう言って握ったソレをツーっとなぞりあげた。
そのまま円を描くように指で数回上下に擦るとタカヒロくんの首が上を向いて。
既に先端からは透明な液すら出ていて、肩を揺らして大きく呼吸を繰り返すタカヒロくんを見て、私はそっとそれを口に含んだんだ。
「わっ、それはっ…」
慌てたようなタカヒロくんの声に、一端口の中から抜くと、困ったように私を見ていて。
だからどうしても呼びたくなってしまう。
『…タカヒロ…』
「エッ! ちょ、ごめんっ…」
…その瞬間、タカヒロくんのお腹の上、反り返った先端から白い液が流れ出て来た。
天井に顔を向けて呼吸を大きく繰り返すタカヒロくんは、やっぱり物凄く色気があって…
「呼び捨て…とか…」
まだ乱れた呼吸のまま恥ずかしそうな視線を私に移した。
「反則だよ、ユヅキ」
やっと私も、タカヒロくんを気持ちよくさせられたと思うと嬉しくて…
自分のお腹辺りに出たその白く濁った液をしっかりと拭き取ってから、タカヒロくんはバスタオルを私に差し出してくれて「先に浴びておいで」って言ってくれるんだ。
やっぱりこーゆう紳士な所、すごく魅力的だと思う。
私はバスタオルを身体に巻き付けるとすぐにお風呂場に行って熱いシャワーを浴びた。
鏡の前に立った私の胸元には、小さなキスマークがついていて、それだけでまたタカヒロくんの温もりを思い出してほんのり肌が紅潮してしまう。
朝からこんなに幸せな気分…初めてかも。
10分程度で出て来た私が寝室に顔を出すと、まだ半裸のタカヒロくんがベッドの上で煙草を吸っていた。
「おかえり」
『あ、た、ただいま』
単なる挨拶だけど、緊張しちゃって。
そんな私にニッコリ微笑むタカヒロくんは、小さくなった煙草を枕元に置いてあった硝子の灰皿に押し潰してベッドから出た。
思わずノーパンかと思った私の考えは当たり前に否定されて、しっかりとパンツを掃いていたタカヒロくんは、ポンッて私の頭に手を乗せると、お風呂場へと消えていった。
大きく深呼吸をした私はすぐに朝ご飯の準備に取り掛かったんだ。
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