幸せな朝の一時3
「もう終わり?」
悪戯っ子みたいな笑顔を見せるタカヒロくんは、絶対に物足りないって顔。
中途半端にフレンチキスとかしちゃった私も、物足りないもん。
だからって、タカヒロくんにどう言ったらいいかなんて分からなくて、苦笑いする私。
こんなこと言ったら嫌われるんじゃないかな?とか、そう思ったけど、そんなことで嫌いになるなんて昨日の今日で絶対に有り得なくて。
私のコンプレックスなんか気にしないだろうタカヒロくんは、黙って私の言葉を待ってくれている。
だから…
『笑わない?』
一応聞いてみる。
「笑える内容なの?」
そう聞き返したタカヒロくんは、既に半笑いな状態で。
『…舌とかどのタイミングで入れるか分からなくて?』
「え?…」
ほんの一瞬私の上にある天井を舞ったタカヒロくんの瞳は、私の唇に視線を戻して軽く笑った。
「キスしてくれたら俺が入れるから、して…」
そうタカヒロくんが言ってくれるから、私は恥ずかしながらも、もう一度タカヒロくんの唇に、触れるだけの軽いキスを落とした――――
次の瞬間、軽く開いたタカヒロくんの口元からニュルリとその甘い舌が私の中に入り込んで…
絡み合った瞬間、胸の奥がキュンって痛くなる…
昨日、あんなに沢山キスをしたのに、私達は全然足りない。
一日寝たらリセットされちゃうの?ってくらいにキスが止まらない。
絶対に一晩でうまくなっただろう私のキスは、十分にタカヒロくんの口内を駆け回る。
愛を語り合いながらチュウ…って啄むようなキスをするのも素敵だなって思っていたけど、
目眩がしそうなくらい、酸欠になりそうなくらい激しいキスも…わりと好きだって気づいた。
いつの間にか私の物だった主導権はタカヒロくんに渡り、身体を斜めにして肘をついたと思ったらクルンって私の上に跨がった。
そのまま唇を離すこともなくキスを繰り返す私達。
やっぱりこのままタカヒロくんに抱かれたいと思うのに…
挿入されたタカヒロくんの指にほんのり顔をしかめた。
「すげぇ濡れてんのになぁ」
耳元で吐息混じりにわざとそう呟くタカヒロくん。
何とかタカヒロくんを受け入れたいのに、何とも身体がゆうことをきかない。
それでも挿入されたタカヒロくんの指が遠慮がちに私の中を撫ぜていて…
ほんのり腰を浮かす私は自分からその足を開いていく。
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