幸せな朝の一時2
昨日はあんなに強引だったのに、今日は何だか子供みたいに可愛い。
これからもっと色んなタカヒロくんが見れると思うと自然に顔が緩んでしまう。
何も言わないでいた私を不安に思ったのか、眉毛の下がった顔が少し私から遠ざかった。
「ごめん、強引すぎた。自分の時間も欲しいよね! …うん、またにする」
ちょっとだけ寂しそうな声が私に届いた。
『あ、違うの! 嬉しい…。私もそうしたいって思ったから…タカヒロくんと一緒に居たいって』
その言葉に、遠ざかったタカヒロくんの顔が緩くなって私に近づいてきた。
でも、その大きな瞳はまだ不安げで。
「ほんとに?」
掠れた声が聞こえた。
どうしよう…
すっごく、すっごく…
タカヒロくんが愛おしい。
高ぶったままの私の感情は、勿論ながら身も心も高ぶっていて…
目の前の不安そうなタカヒロくんの上に身体を寄せた。
昨日と反対、完全にタカヒロくんの上に乗りかかった私に、吃驚したように目を見開くタカヒロくん。
…朝からこんなの…
そう思いながらも、もう感情を止めることができそうもなくて。
私にされるがままタカヒロくんの頬に手を添えたら、そっと目を閉じて…
ゆっくりと顔を近づけた私は、甘いタカヒロくんの唇に自分の唇を重ねた。
ンチュー…って感じの唇をつけるだけのキス…
自分からキスするなんて恥ずかしくて、今までしたことのなかった私は完全に初心者並のキスしかできなくて。
タカヒロくんはどのタイミングで舌を入れたんだろう?とか。
無理矢理入れられた覚えがないってことは、私が口を開けたってこと?
もう頭の中が真っ白でどうしていいかなんて分からない!
だから唇を離してジーっとタカヒロくんを見つめていたら、そんな私に気づいてか、ゆっくり目を開けるタカヒロくんの口端はちょっと緩い。
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