最初で最後3




『タカヒロくん…私頑張るから』


首に腕を回してキスをせがむ私にしっかりと答えてくれるタカヒロくん。

キスをしながらも、少しずつ埋まっていくタカヒロくんは、甘い吐息を漏らす…

この声ずっと聞いていたいのに…

そう思いながらもやっぱりまだ痛みは消えない。

初めての時とは少し違うものの、こんな風にお腹に力が入っちゃうような感覚は久しぶりで。

今までどうやってシてきたのかさえも思い出せない。

それでも私を気にしながらまた私に体重を乗せるタカヒロくんの綺麗な身体は熱く火照っていて、その胸元に手を添えると、ビクっとタカヒロくんと目が合った。


「痛い?」

『ん、でも…』


そう言いながらも私は胸元の手を動かして、タカヒロくんの敏感な部分を指で撫でた。


「ちょっ…待っ…ック…」


ビクンって私の指に激しく反応するタカヒロくん。

サラサラの髪も汗でほんのりしんなりして見える。

間接照明の中で見つめ合う瞳は完全に女の私よりも色気があるように見えて…

それだけで本当にドキドキしているというのに…――――


『ンッ…』


漏れた声に、顔をしかめる私に、タカヒロくんは優しく微笑むと、チュっとオデコにキスを落とした。


「ゆっくりでいいよ…何か新鮮な気持ちだし…この際初めてって事にして! …俺が最初で最後って………うわっ、恥ずかしっ!!俺何言ってんだろっ…」


そう言ってタカヒロくんは、静かに私の中から出ていった。

恥ずかしいってタカヒロくんは顔を逸らしたけれど、私にとってその言葉は思ってもみなくて。

前の彼氏と比べるのは悪いと思うけど…

違うと思うけど…

そんな風に気遣ってくれるタカヒロくんをすごく大人に思った。

買い物の時とかお風呂の時とか、些細な事に気遣いできるタカヒロくんを、心から愛しく思えたんだ。

優しい男なんて裏があるんじゃないかとか、下心ばかりなんじゃないかとか、私の中にあるそんな偏見を覆してくれるタカヒロくんに出会えて私、すごい幸せ。






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