最初で最後2
『私…その、…ちょっと間あいてるから…』
そう言葉を濁すとタカヒロくんが私の上から下りて隣に寝そべった。
「うん」
『タカヒロくん?』
静かになったタカヒロくんを覗き込むと、又苦笑いで。
私何かいけないこと言っちゃったんだろうか…
ちょっぴり不安が過ぎった。
「気になる?俺の過去…とか」
『えっ?』
「キスがうまいか下手か自分じゃよく分かんないけど…」
『あ…ごめん私、そんなつもりじゃなくて…。過去のタカヒロくんがいて、今のタカヒロくんがいるんだから、過去は気にしないよ!』
勢いづいてそう言ったら余計にタカヒロくんの顔が歪んだ。
後ろからギュッと私に巻き付くみたいに抱きしめられて、肩に唇をチュッてつけている。
筋の通った腕は両胸に触れていて、その指が器用に動くと気が遠のきそうだった。
「ちょっとは妬いて欲しかったなぁ」
耳に唇を寄せてそう言うと、そのまま私の耳を口に含んだ。
まるでそこが唇みたいに、私の耳を甘噛みしたり、貪られて…
何ともビクビク反応する私。
タカヒロくんの手も唇もその動きを止めることなく私に快楽を与えてくれて。
ようやく下にタカヒロくんの指が入った時にはもう、私は溢れていた。
「あ、これ入るんじゃん?」
そう言って足全開の私を下から見ないでほしい。
ただでさえ恥ずかしい格好なのに、男の人って見たがりだよね…。
指を出し入れしてるタカヒロくん。
部屋の中に響き渡る何ともいえない音に、私はちょっとだけ興奮していた。
「ユヅキ、好きだよ」
私の上に重なるタカヒロくんの掠れた声がして、ズギュン…て胸が痛かった。
同時にピキンって下半身に電流が走るみたいに痛みがきて…顔をしかめた。
「力抜いて…大丈夫だから」
『んっ…』
大きく呼吸しながらゆっくり身体の力を抜いていくも、タカヒロくんがほんの少し動くとやっぱりピキンって痛みが走って、その度に私は眉間にシワを寄せる。
様子を見ながらもゆっくり中に入ってくるタカヒロくん。
…私がすごく久しぶりっていうのも勿論だけど…
タカヒロくんの自体、チラッとしか見てないから定かじゃないけども…
平均以上なんじゃないかって思ってしまった。
そんなこと考えてるなんて、タカヒロくんにバレたらどうしよう?
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