優しさor慣れ3




チラッてタカヒロくんを見ると、画面じゃなくてしっかりと私を見ていて…

途端に心臓が踊り出す。

今の今までトレーナーの裾に隠れていたタカヒロくんの指はしっかり出ていて、私の背もたれの所に回っている。

不意にその手がグッと私の肩を抱いた。


『映画いいの?』とか『狙ってたの?』とかそんな言葉が頭を過ぎったけど、無言で近寄るタカヒロくんに、さっきまでの覚悟を思い起こしてギュッと目を閉じた。



カタンて、肩の手が後頭部に回されて固定された私に被さるように抱きしめられて…ゆっくりとキスが降りてきた…――――

啄むように唇を合わせると胸がギュッて痛くて、何ともいえない気持ちになる。

そうやって数回唇を重ねる私達…

画面のラブシーンはまだ終わってないと思う。

ホラー映画のくせに!

キスしちゃってる余裕なんてないのに!

なんて思いながらも、私はタカヒロくんのキスが終わらないように…って。

ほんのり唇を開いた私を見逃すことなく、少し押し込むみたいにタカヒロくんの舌が私の口内に入り込んだ。


中で暴走気味なタカヒロくんの舌は、私の舌をガッチリ捕まえて離さない。

逃げる気はさらさらないからそのまま舌を絡ませる私の態度に、タカヒロくんの体重ごと落ちてきて、後頭部に回されてる腕が私の体重を支えながら、すんなりソファーに押し倒された…

同時にゆっくりと唇が離れる。

それでももう口を閉じることもなく、離れた唇はまたすぐに歩み寄って舌が強引に入ってくる。


チュルン…

って舌が絡み合う音が何度も聞こえて、私達から出ているのか、画面の中から聞こえているのかも分からない。

ただ、私にはタカヒロくんの息遣いだけが届いている。

体重を落とされてタカヒロくんの手が私のトレーナーに挿入されて、すぐに出てきた。

同時に舌も私の口内から出ていって、タカヒロくんを見上げる私をちょっと困惑気味に見下ろすタカヒロくん。


「ノーブラ?」


バレた!

恥ずかしい…

目を泳がす私は真っ赤な顔でコクンって頷くことしか出来なくて。


そんな私に嬉しそうな笑みを浮かべるタカヒロくん。






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